化粧品とマイクロプラスチック問題

最近日本でようやく活発に議論されるようになってきたプラスチック問題。特にプラスチックゴミが海に流れ込んでいる海洋プラスチック問題は深刻です。ストローが鼻の穴に詰まり血を流しながら苦しんでいるウミガメの映像でも話題となった通り、世界では年間約800万トンものプラスチックが海にゴミとして流れ込んでいると推計されています。大手企業でもプラスチックストローの廃止、ビニール袋削減など企業努力が始まっています。

この海のゴミである海洋プラスチック、実は化粧品とは切っても切り離すことのできないもの。通常5mm以下になったプラスチックはマイクロプラスチックといい、世界中の海に存在していますが、化粧品では洗顔料、ボディウォッシュ、歯磨き粉といったスクラブ製品に使用される「マイクロビーズ」が実はマイクロプラスチックなのです。

それらの大きさは0.001mm~0.1mmと、目には見えにくいほど小さいものですが、化粧品を使用することで洗面所やお風呂などの排水口から下水処理施設を通過し、川や海に流れ込む。流れ込んだマイクロビーズを魚や海鳥の体内に入り込み、食物連鎖によって人間の体内に蓄積される。海からマイクロビーズを回収することは不可能であり、今後排出を止めることでしか防ぐことができないのが現実なのです。

もちろんこの問題に対して、日本化粧品工業連合会が2016年、「洗い流しのスクラブ製品におけるマイクロプラスチックビーズの使用中止」に関する文書を発信し自主規制をしました。2017年度国内マイクロビーズの消費量は年間数百万トンに上っていましたが、現在主要メーカーのほとんどが洗い流しスクラブ製品にマイクロプラスチックビーズの使用を中止、自主規制を行っています。

マイクロプラスチックビーズからの代替素材の開発、切り替えはすでに行われており、また海外では日本よりもはやく使用禁止、販売禁止の対応をしています。ようやくプラスチックゴミによる環境の変化、温暖化、健康懸念などが目に見える形で私達に迫ってきたことの証明でもあるでしょう。

プラスチックは自然分解されることなく、半永久的にたまり続ける可能性があるもの。私が子供の頃にはこれほど身の回りにプラスチック製品は存在しておらず、この半世紀急激に生産と消費が増えました。そのためまだ環境汚染、体内蓄積に関するしっかりとしたデータがありません。ただはっきり分かることは、環境汚染、地球温暖化は決して他人事ではなく、今こうしている間にも刻々と進んでいるということ。プラスチックにより人々の生活は便利で豊かなものになりましたが、今その影響があらゆるところに現われ取り返しのつかないことになってきています。実は化粧品を使うことで環境汚染をしていたかもしれないという事実。多くの人がそれに気づき、自分のこととして声を上げていく必要があります。

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